1950年代後半のスペイン。実業家エンリケ・ベルナトは、当時の子供たちが大きなキャンディを手で触って溶かし、衣服や手指をべたべたに汚して母親に叱られている光景を観察していた。彼はひらめいた。「まるでフォークで固形物を食べるように、スティックの上にキャンディを載せたらどうだろうか」。
当時としては前代未聞だった木製スティック付きのロリポップキャンディの発明は、世界の製菓産業に地殻変動を起こした。手が汚れないという実用性と、口にくわえて歩くスタイルのおしゃれさが受け、商品は爆発的なヒットを記録。子供だけでなく若者のライフスタイルの一部へと昇華した。