1992年4月のテレビアニメ放送開始から24年間、野原ひろしの喜怒哀楽を一手に担ってきた藤原啓治さん。事態が急変したのは2016年8月3日、藤原さんが代表取締役を務めていたAIR AGENCYからの公式発表でした。「病気療養のため一時休業する」という知らせは、アニメファンのみならずエンタメ界全体に大きな衝撃を与えました。
当時、具体的な病名は伏せられていたものの、現場関係者の証言では長期的な治療を余儀なくされる重篤な状態であったと伝えられています。ファンが復帰を待ち望む中、2020年4月12日に癌のため55歳で永眠。所属事務所から逝去が公表された際、SNS上では追悼の言葉が溢れ返り、日本中が深い悲しみに包まれました。
テレビシリーズにおいて藤原さんが演じた最後のレギュラー放送は、2016年8月26日放送回(第906話)でした。劇中ではいつもと変わらぬマイペースで情に厚い父親の声が響いており、視聴者にとっては「これが最後の声になる」とは信じがたいほど自然体の演技でした。また、直前に配信されていたWebアニメ『クレヨンしんちゃん外伝 エイリアン vs. しんのすけ』の初期エピソードを含め、藤原さんが最後に遺した日常のさりげない息づかいは、いまも配信アーカイブなどで確認することができます。