常闇のヒーローとしての飛躍を語る上で、現役No.2ヒーローであるホークス(鷹見啓悟)との出会いは最大の転換点でした。職場体験の際、ホークスが常闇を指名した当初の理由は「鳥仲間だから」「足の速いヤツが欲しかった」という飄々としたものでした。しかし、その裏には極めて合理的かつ温かな育成眼が存在していました。
ホークスは、常闇が接近戦の脆さを克服しようと地面に縛られていた視野を、一言のアドバイスで解き放ちます。「飛べる鳥が地べたを這ってちゃもったいないよ」。その言葉を愚直に受け止めた常闇は、黒影を纏い抱え上げさせることで「飛翔」という新たな解答を掴み取りました。
二人の関係が決定的に読者の心を打ったのは、超常解放戦線との死闘です。潜入捜査の果てに敵の凶刃(荼毘の蒼炎)に焼かれ、背中の翼を失い絶体絶命の危機に瀕したホークス。そこに駆けつけたのは、他ならぬ弟子の常闇でした。
「鳥仲間だから取った」というかつての軽口の裏にあったホークスの孤独や、裏社会の泥水をすすりながら平和を支えていた師の真実を知った常闇は、取り乱すことなく言い放ちます。「利用されたなら、利用し返したまで。俺はあなたから多くを学んだ」。師の弱さも闇もすべて受け入れ、命懸けでその背中を守り抜いた瞬間、二人の関係は「指導者と生徒」を超え、対等に背中を預け合う「真の戦友」へと昇格しました。