清水建設が220年以上にわたって建設業界の第一線に立ち続けられる背景には、協力会社との強固な組織構造が存在します。同社の施工現場を支える専属的な専門工事業者の組織「兼喜会(けんきかい)」の存在は、業界内でも広く知られています。
大手専門工事業者の元幹部は、取材に対して次のように証言しています。
「シミズの現場は、検査の厳しさと図面への忠実さにおいて他社と一線を画している。職人泣かせと言われることもあるが、それは現場監督が職人の技術をリスペクトしている裏返しでもある。初代・二代の喜助が遺した『棟梁としての矜持』が、令和の現場監督にも脈々と受け継がれていることを肌で感じる」
SNSや建設業界コミュニティにおける現役作業員や設計者の声を見ても、「設計図書の意図を汲み取る力」「納まり(部材の接合精度)の美しさ」に関する言及が際立ちます。一方で、2024年4月から建設業界にも本格適用された時間外労働の上限規制(いわゆる建設業の2024年問題)以降、現場の職人不足や工期短縮のプレッシャーはいっそう高まっています。歴史ある施工品質を維持しながら、いかに現場のDX(施工ロボットの導入や遠隔管理)を進めるかという点において、現場の試行錯誤が続いています。