山中湖花の都公園を語る上で最大の論争点となるのが、「無料エリア」と有料エリア「清流の里」のゾーニングです。インターネット上の口コミや旅行ブログを精査すると、「無料でここまで見られるのは神コスパ」「わざわざ入園料を払う必要がなかった」という絶賛の声がある一方で、「有料ゲートをくぐったのに目当ての花畑がなかった」という不満の声が一定数存在します。この齟齬が生まれる原因は、公園の敷地設計にあります。
実のところ、SNSや観光パンフレットで目にする広大な花畑と富士山が重なる大絶景の大部分は「無料エリア(花畑・農園エリア)」に展開されています。約30万平方メートルのうちの多くが開放されており、誰でも自由に散策して写真撮影を楽しむことが可能です。これが「無料エリアが異常に高い評価を集める理由」にほかなりません。
では、有料エリアである「清流の里」の存在価値とは何でしょうか。取材と現場観察から見えてくる真相は、清流の里が「花畑を見る場所」ではなく「水と緑のテーマパーク」として作られている点です。落差10メートル・幅80メートルの人工滝「明神の滝」や、風情ある水車小屋、富士山の噴火活動を学べる「溶岩樹型地下観察体験ゾーン」、さらに熱帯植物や珍しいランを展示する全天候型温室ドーム「フローラルドームふらら」など、多様なアトラクションが凝縮されています。花畑のパノラマだけをサクッと撮影したい旅行者と、庭園散策や滝のマイナスイオン、雨天時の温室鑑賞をじっくり楽しみたいファミリー層とで、求める体験価値が明確に分かれているのです。