採用決定後、未経験者をプロのキャストへと昇華させるのが、オリエンタルランドが長年磨き上げてきた研修プログラムです。
まず受講するのが、全キャスト共通の「ディズニー・トラディション」と呼ばれる基礎研修です。ウォルト・ディズニーの創業精神や、ディズニーパークの行動基準である「SCSE(Safety:安全性、Courtesy:礼儀正しさ、Show:ショー、Efficiency:効率)」を徹底的に学びます。清掃業務においても、ただ床を磨くのではなく、ゲストの安全(Safety)が最優先であり、清掃作業自体が一つのショー(Show)であるという意識付けが施されます。
その後、カストーディアル部門特有の専門研修へと進みます。現在導入されているカリキュラムでは、スイーパーの持ち方や手首のスナップを利かせた掃き出し方、トイビディのフタを静かに開閉する動作など、徹底的な動作教育が行われます。ゴミを拾う際に「カチャカチャ」と金属音を立てない、視線を下ばかり落とさず常に周囲15メートルの状況に気を配る「広角の視野」を保つ訓練など、ミリ単位の所作指導が続きます。
また近年では、身だしなみ基準「ディズニールック」の柔軟な改定が進み、髪型やカラーリング、身だしなみの個性が一定のルールの下で尊重されるようになり、キャスト一人ひとりの多様性を受け入れる土壌が醸成されています。現場配属後もトレーナーによるマンツーマンのOJT(職場内訓練)が手厚く組まれており、一人でパークのオンステージに立つまでのバックアップ体制は極めて堅牢です。