野菜一日これ一本は毎日飲むと太る?意味ない噂の真相と効果を徹底検証

野菜一日これ一本は毎日飲むと太る?意味ない噂の真相と効果を徹底検証

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市販の野菜飲料を語るうえで避けて通れないのが、食物繊維とリコピンのトレードオフ関係です。加工飲料は生野菜に劣るというイメージが先行しますが、栄養成分によっては「生で食べるより遥かに効率が良い」という科学的事実が存在します。

その筆頭が、トマト由来の強力な抗酸化物質であるリコピンと、緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンです。これらの脂溶性色素成分は、植物の強固な細胞壁の中に閉じ込められています。人間の消化酵素だけでは生野菜の細胞壁を十分に壊すことができず、生のトマトを生食した場合の体内吸収率は決して高くありません。

ところが、カゴメの加工プロセスにおける加熱・破砕・濃縮処理を経ることで細胞壁が破壊され、リコピンの体内吸収率は生のトマトと比較して約3倍から3.8倍に跳ね上がることが各種研究で明らかになっています。動脈硬化の予防や血流改善、紫外線ストレス対策としてのリコピン摂取を目的とするならば、生野菜を山盛り食べるよりも「野菜一日これ一本」を飲む方が合理的と言えます。

一方で、整腸作用の要となる「不溶性食物繊維」はどうしても不足します。不溶性食物繊維は便の嵩を増し、腸壁を刺激して蠕動運動を促す役割を持ちますが、飲料の喉越しを保つために搾りかすとして除外されるためです。腸内環境の抜本的な改善を目指す場合は、海藻類やキノコ類、ごぼうなどの根菜類を生の食事から取り入れる必要があります。

清水 千尋
著者

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。