訪問前に押さえておくべき、よくある誤解や現地特有の注意点があります。
第一に、「旧防災対策庁舎の建物内部に入れる」という誤認です。庁舎は構造強度の保全と安全管理、そして慰霊の尊厳を守るため、周囲に柵が巡らされており内部への立ち入りは一切禁止されています。見学は外周の園路から行う形式となっています。
第二に、「海がすぐ目の前に見えて潮風を浴びるだけの平坦な公園」という思い込みです。実際には津波対策として町全体が約10メートル前後の大規模なかさ上げ盛土を行っており、さらにその上にそびえる「祈りの丘」は海抜20メートルに達します。風を遮る遮蔽物が少ないため、冬季や荒天時は厳しい強風と冷え込みに晒されます。冬場の防寒対策や、歩きやすいフラットな靴の着用は必須条件と言えます。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
災害の記憶と向き合う行為は、受け取る側の心理状態によって大きな負荷をもたらします。訪問を検討する際は、以下の視点を参考にしてください。
- ぜひ訪問をおすすめしたい人:
- 学校教育や企業研修など、実践的な防災・減災意識を高めたいグループ
- 自然の脅威と人間の共生、都市計画や復興建築(隈研吾建築)の最前線に関心がある人
- 東日本大震災の教訓を風化させず、自分事として次世代に語り継ぎたいと願う人
- 慎重な判断・準備が求められる人:
- 自身や身近な人が津波・土砂災害などの深刻な被災体験を持ち、心的外傷(トラウマ)のフラッシュバックリスクがある人
- 単なる「インスタ映え」やレジャー気分のみを求め、厳粛な追悼空間の空気に敬意を払えない人(場に漂う重圧感に戸惑う可能性があります)