「存じております」と並んで混同されやすい表現に「承知いたしました」があります。どちらもビジネスシーンで返答として頻繁に使われますが、両者が担う機能は根本的に異なります。
「承知いたしましたとの違いと使い分け」を一言で言えば、「すでに持っている情報(既知)」を伝えるのが「存じております」であり、「相手の依頼や伝達を受け入れ、納得・了解した(受諾)」ことを伝えるのが「承知いたしました」です。
例えば、上司やクライアントから「明日の集合時間が10時に変更になりました」と連絡を受けた場合を考えてみます。
- 「存じております」と返した場合:「その変更の事実は、すでに他のルートから聞いて知っています」という情報保持の返答になります。状況によっては「そんなことは言われなくても知っている」というニュアンスを相手に与え、不快感を招く恐れがあります。
- 「承知いたしました」と返した場合:「時間の変更という連絡をたしかに受け取り、了解しました」という受諾の返答になります。この場面での正解はこちらです。
もし「すでに知っていたが、連絡への感謝と了解を同時に示したい」という場合は、「ご連絡ありがとうございます。日程変更の件、すでに存じておりましたが、改めて承知いたしました」と両者を組み合わせて返すのがスマートな大人の対応です。