給付金の誤支給を巡っては、「市が間違えて振り込んだのだから、貰った側に落ち度はない」「使ってしまえば返さなくていいのではないか」という誤解が根強く存在します。しかし、日本の法制度上、その認識は明確に否定されます。
民法第703条には「法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、これによって他人に損失を及ぼした者(受益者)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う」と定められています。つまり、行政側のミスであっても、受け取る正当な権利がないお金は「不当利得」となり、返還義務が生じます。
さらに重要な盲点として、「誤送金だと知りながら出金・費消した場合」、状況によっては刑法上の詐欺罪や占有離脱物横領罪が問われるリスクすら生じます。行政の不手際を理由に受給者が開き直ることは、法的に極めて大きなリスクを伴うのが実態です。