延縄漁の仕組みと仕掛け|マグロ船の年収・過酷な現場と混獲問題の真実

延縄漁の仕組みと仕掛け|マグロ船の年収・過酷な現場と混獲問題の真実

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延縄漁は、魚を狙う海中深度によって大きく2つの種類に分類されます。表層から中層(水深50〜300m程度)を回遊するマグロやカジキを狙ってブイ(浮子)で仕掛けを吊るす「浮延縄(うきはえなわ)」と、水深数百メートルの海底付近に沈めてタラやキンメダイなどを狙う「底延縄(そこはえなわ)」です。同じ延縄でも、使用するオモリの重さや縄の比重、浮力の調整設計がまったく異なります。

また、市場における魚の価値を決定づけるのが、他の代表的漁法である「一本釣り」や「巻き網漁」との決定的な違いです。

項目延縄漁(浮延縄・底延縄)一本釣り巻き網漁漁獲メカニズム100km超の縄に数千本の針を流し回遊魚を誘殺魚群を探知し、竿や手釣りで1匹ずつ釣り上げる巨大な網で魚群をまるごと包囲して一網打尽身焼け・魚体損傷極めて少ない(針かかり後即座に活け締め・血抜き)皆無〜最少(釣り上げ直後の迅速処理が可能)多発しやすい(網の中で暴れ、圧死や体温上昇が発生)1回あたりの漁獲量中規模(数十尾〜数百尾/選別された成魚中心)小規模(数尾〜数十尾程度)圧倒的大量(数十トン〜数百トン単位)市場単価・取引評価高値安定(刺身・寿司ネタ用として高い評価)最高値(ブランド魚としてプレミア価格化)中〜安値(缶詰加工や大衆鮮魚向けが主流)資源への影響幼魚獲りが少なく比較的持続的(混獲対策要)最も環境負荷が小さい幼魚まで根こそぎ獲るリスクがあり国際規制厳格

巻き網漁では、網の中で魚同士が激しく衝突して鱗が剥がれたり、暴れることで自らの体温が上がって肉が白く変質する「身焼け」を起こしがちです。対して延縄漁は、針にかかった魚を引き揚げると船上で直ちに頭部を締めて放血処理し、急速冷凍(マイナス60度)保管します。この丁寧なプロセスが、高級寿司店で重宝される深い赤身と極上の脂質を維持できる最大の根拠です。

山田 真由
著者

山田 真由

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