ここで、ネット上で広く信じられている言説に対する重大な誤解を是正しなければなりません。「客観的に見ることこそが絶対的な正義であり、主観や感情は一切排除すべきだ」という極論です。これは明白な間違いです。
ジャーナリズムの現場や新規事業開発において、客観的思考メリットは数多く存在しますが、客観性だけに依存しすぎると以下の2つの罠に陥ります。
- 評論家シンドローム:リスクや問題点を客観的に列挙するばかりで、自分自身のリスクテイクや熱意を伴う意思決定が一切できなくなる。
- 差別化の消失:誰が見ても同じデータに基づくだけの判断は、AIでも代替可能な「平凡な結論」に落ち着き、独自の付加価値やイノベーションが生まれない。
優れたリーダーや結果を出すクリエイターは、決して感情を捨て去った冷徹マシーンではありません。彼らは「主観で火をつけ、客観で航路を測る」という二段構えの思考法を徹底しています。「こういう世界を作りたい」「この課題を絶対に解決したい」という熱源は100%の主観です。しかし、それを実現するための市場調査、工数管理、リスクヘッジにおいて100%の客観を起動するのです。