乱視用カラコンを購入するにあたり、最も多くの挫折を生んでいるのが「パラメータ選択の誤解」です。近視用の数値(PWR/SPH)だけで注文できる通常レンズと異なり、トーリックレンズには2つの必須指標が存在します。
第一に、乱視度数CYLの選び方です。CYL(Cylinder)は円柱度数を指し、乱視の強さを表します。一般的にカラコン市場で展開されているのは「-0.75D」および「-1.25D」の2段階が主流であり、一部高度乱視向けに「-1.75D」が存在します。ここで留意すべきは、数値の絶対値が大きいほど矯正力が強いという点です。もし眼科の処方箋に「-1.00D」と記載されていた場合、自己判断で強い「-1.25D」を選ぶと過矯正となり、激しい眼精疲労やめまいの引き金になります。眼科医の指導のもと、あえて弱めの「-0.75D」に設定するなどの微調整が必要です。
第二に、乱視軸度AXIS確認方法を正確に把握しなければなりません。AXIS(Axis)は乱視の角度(度数)を0度から180度の間で示します。日本人の乱視の約7〜8割は「直乱視」と呼ばれ、軸度が水平に近い「180°」に該当します。そのため市販の乱視用カラコンの多くは「AXIS 180°」を中心にラインナップされています。しかし、残る2〜3割のユーザーは垂直方向に歪みが生じる「倒乱視(AXIS 90°)」や「斜乱視(AXIS 20°〜70°など)」を抱えています。もしAXIS 90°の瞳に180°のレンズを装用した場合、乱視は補正されないばかりか、かえって像の歪みが増幅されてしまいます。
眼鏡の処方データとコンタクトレンズの処方データは、角膜頂点間距離の差異により一致しないケースが多々あります。自己測定や古い眼鏡の数値で購入することは絶対に避けてください。