クロムハーツを象徴するオールドイングリッシュ文字の刻印と、立体的なクロスボールの彫刻。ここには、コピー業者が真似しきれない技術的な壁が存在します。
まず注視すべきはクロムハーツ刻印のフォントです。正規品の刻印は、打刻または高精度レーザーによって極めてシャープに打ち込まれており、文字の角(セリフ)の先端まで鋭利に整っています。特に「CHROME HEARTS」の「R」の右払いの曲線、「C」の先端の切れ込み、そして「.c」や年号刻印(「1998」「2003」など)の文字間隔に顕著な差が現れます。偽物はフォントの線が均一に太く、文字の底面がザラついていたり、文字同士が不自然に接近していたりします。
続いて、ペンダントトップやリングに多用されるクロスボール彫りの深さと燻し加工です。本物はモチーフの周囲が深く彫り込まれ、自然な酸化皮膜に近い深みのある黒色で燻されています。燻しが乗っている部分と磨き上げられた鏡面部分のコントラストが極めて明瞭です。対してコピー品は、彫りの溝が浅く、単なる黒色塗料を流し込んだような平坦な着色にとどまっているケースが目立ちます。使い込むうちに黒ずみが剥がれて下地が露出するものは、模倣品である可能性が濃厚です。
代表作であるフローラルクロスリング真贋ポイントにおいても、中央のクロスから左右に伸びる花弁の立体感が分水嶺となります。正規品は葉脈の彫りが深く、指のアーチに沿って完璧なアールを描きますが、偽物は平面的で、花の先端部分の丸みが潰れている傾向があります。