「染色体が1本多いのは親の体質や家系が原因なのか」と悩む親御さんは少なくありません。しかし、遺伝の真相として、標準型トリソミーのほとんどは「受精時の偶発的な細胞分裂エラー」であり、親からの遺伝ではありません。
染色体が一本多い理由の根幹にあるのは、生殖細胞が作られる際の「減数分裂」において、染色体が分離せず同じ細胞に入ってしまう現象です。この現象は母体年齢の上昇に伴って発生頻度が高くなることが統計上分かっています。
日本産科婦人科学会のデータなどによると、21トリソミーの染色体異常確率は20歳代で約1/1,000前後ですが、35歳で約1/350、40歳で約1/100へと上昇します。これは卵子が胎生期から蓄積されており、年齢とともに染色体分離を担う紡錘体の機能が変化するためと説明されています。