ノートPCを閉じて据え置き化するこの運用法は、作業スペースの劇的な刷新をもたらす一方で、ハードウェアに対して少なからず固有の負荷をかけます。導入後に後悔しないためにも、クラムシェルモードのメリットとデメリットを客観的な数値データと現場の知見から比較検証しておく必要があります。
メリットの核となるのは、単に「画面が大きくなる」ことだけではありません。人間工学(エルゴノミクス)の観点から、目線を真正面に保つことで長時間の猫背やストレートネックを劇的に緩和できます。また、ノートPCの内蔵キーボードはどうしても手首や肩がすぼまりがちですが、お気に入りのメカニカルキーボードや分割キーボード、エルゴノミクスマウスを自由なレイアウトで配置できるため、肉体的な疲労蓄積が大幅に軽減されます。
反面、最大のボトルネックとなるのが「排熱」と「生体認証」の制限です。MacBookのTouch ID内蔵電源ボタンは画面を閉じると触れなくなるため、Magic KeyboardのTouch ID搭載モデルを別途用意するか、パスコード入力に頼る必要があります。また、内蔵の高性能スピーカーやWebカメラ、スタジオ品質マイクも物理的に遮蔽されてしまうため、外部機器の追加投資が一定程度発生します。