防草シート選びで最も決定的な過ちとなるのが、不織布と織布の違いを理解せず、価格の安さだけでホームセンターの特売品を選んでしまうパターンです。雑草の生命力、とりわけ先端が針のように鋭く硬いスギナ、チガヤ、ススキ、ドクダミといった強害草の貫通力は、人間の想像を絶します。
織布(クロスシート)は、平たいポリプロピレンの糸を縦横に平織りした構造を持っています。引張強度には優れるものの、繊維と繊維の間にミクロ単位の「織り目(隙間)」が存在します。休眠から覚めたスギナの新芽は、わずかな光と隙間を感知すると、その織り目の間に針先をねじ込み、成長とともに繊維を押し広げてシートを突き破って地上へ飛び出します。一度貫通を許すと、そこから雨水と日光が差し込み、裂け目は一気に拡大します。
これに対し、ポリエステルやポリプロピレンの極細繊維をランダムに幾重にも重ね、熱圧着で一体化させた高密度不織布は、縦横の規則的な隙間が存在しません。繊維が緻密に絡み合っているため、スギナの芽が直撃しても繊維を押し広げることができず、光合成を遮断されて地中でエネルギーを使い果たし枯死します。これがプロの施工現場でスギナ貫通対策として高密度不織布が一択とされる技術的根拠です。
上記の数値比較からも明らかな通り、防草シート耐用年数と寿命は素材構造によって劇的な開きがあります。初期費用で数百円をケチった結果、わずか2年でスギナに破られ、除草剤散布と再施工に追われるサイクルに陥る施主が後を絶ちません。