「鼻をかむ」の漢字は噛むじゃない!難読字「擤む」の正体と変換技

「鼻をかむ」の漢字は噛むじゃない!難読字「擤む」の正体と変換技

「鼻をかむ」の漢字は噛むじゃない!難読字「擤む」の正体と変換技に関する専門家の意見を丁寧に解説いたします。

日常会話で頻繁に使われる「はなをかむ」という表現ですが、文字に起こす段になると多くの人が誤った表記に流されます。最大の原因は、日本語入力システム(IME)の予測変換で「噛む」が上位に登場してしまう仕様にあります。「噛む(咬む)」という漢字は、上下の歯を合わせて物を挟んだり、細かく砕いたりする口の運動を指す動詞です。ティッシュペーパーを手に添えて鼻腔から息を押し出す動作とは、器官もメカニズムも根本から異なります。

国語辞典や専門機関の資料を精査すると、鼻を擤むの正しい意味は「手や紙で鼻を押さえ、呼気(息)の圧力によって鼻腔内の鼻汁を体外に排出すること」と定義されています。古くは『万葉集』の時代から「洟(はな)ひる」「洟かむ」という行為自体は記録されていますが、この動作そのものを一字で表現するために作られた漢字が「擤」です。

医学用語ではこの動作を「擤鼻(こうび)」と呼び、英語の「blow one's nose」に相当します。つまり、「鼻をかむ」という動作には、太古から固有の文字が割り当てられていたのです。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。