「お邪魔させていただきます」という表現に対して、実務の第一線ではどのような視線が向けられているのでしょうか。大手総合商社、ITメガベンチャー、金融機関、製造業など多様な業界の採用面接官、総務・受付担当者、および営業幹部を対象としたヒアリングや各種マナー調査の集約データから、現場のリアルな評価が浮き彫りになっています。 都内大手SIerの営業統括マネージャー(40代)は、自社の若手社員が取引先の役員面談でこの言葉を使った際の苦い経験を明かしています。 「商談の冒頭で部下が『本日はお邪魔させていただきます』と深々と頭を下げた瞬間、先方の専務が少し苦笑いされたのをはっきり覚えています。後から『君たちは商談をしに来たのであって、遊びに来たわけではないだろう』と冗談交じりに指摘されました。本人は最大限に丁寧な敬語を使ったつもりだったようですが、商談に臨む覚悟や緊張感の欠如として映ってしまったのです」 また、企業の受付に常駐する総務担当者からも、訪問者の言葉選びに関する率直な声が聞かれます。 「受付の内線電話で『〇〇株式会社ですが、本日〇時にお邪魔させていただくお約束で…』と言われるケースが20代〜30代前半の来訪者に散見されます。決して怒るようなことではありませんが、『ご訪問に伺いました』や『お約束をいただいております』と簡潔に名乗られる方に比べると、どうしてもマナー教育の甘さを感じてしまいます」 インターネット上の大手コミュニティ(Yahoo!知恵袋、大手転職掲示板など)でも、「取引先に『お邪魔させていただきます』とメールで送ってしまい、上司に厳重注意された」「プライベートの癖で面接の入室時に口走ってしまった」という反省や後悔の書き込みが後を絶ちません。現場が求めているのは「長くて重たいへりくだり」ではなく、「公の場にふさわしい明瞭かつ端正な敬語」です。
「お邪魔させていただきます」は失礼?敬語の真偽と正しい言い換え術
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