池田佳隆氏の事件で世間に最も強い衝撃を与えたのが、特捜部の家宅捜索が入る直前に行われた証拠隠滅工作です。関係者の証言や公判資料によって、その生々しい手口が明らかになっています。
裏金問題がメディアで連日報じられ捜査の手が伸びる中、池田事務所では議員会館や地元事務所に置かれていたパソコンのハードディスクが物理的に破壊されていました。単にデータを削除するだけでなく、ドライバーや工具を使って記憶媒体そのものを叩き割り、データの復元を不可能にしようと試みていたのです。また、キックバックの金額や配分が記された裏帳簿や関連資料も、シュレッダーで細断・廃棄されていました。
刑事訴訟法上、被疑者を逮捕するための重要な要件として「罪証隠滅のおそれ」が挙げられます。池田氏側が仕掛けたこの粗雑かつ直接的な証拠隠滅行為は、特捜部に対して「身柄を拘束しなければさらなる証拠隠滅を図る」という確たる逮捕理由を与える結果となりました。自ら墓穴を掘る形となったこの行動は、法廷でも「国会議員としての倫理観を著しく欠く悪質行為」として厳しく非難される要因となっています。