1987年に米フォーブス誌が発表した世界長者番付の第1回において、堤義明氏の個人総資産は推定200億ドル(当時の為替レートで約3兆円超)と算定され、世界一の富豪として世界中にその名が轟きました。日本の国土の約6分の1を所有しているとまで囁かれた西武グループの含み資産を背景に、長年にわたりランキングの上位を独占し続けた記録は今なお語り草です。
しかし、その莫大な資産の大半は、非上場会社であった「コクド(旧・国土計画)」が保有するグループ各社の株式や広大な不動産に依存したものでした。2004年の有価証券報告書虚偽記載問題に端を発する経営危機と、その後の民事再生・組織再編によってコクドは解体。外資系ファンドのサーベラス主導による再建プロセスの中で、堤家が握っていたグループの支配権と株式価値はほぼ消滅しました。
では、現在の純資産は底をついたのかといえば、決してそうではありません。個人名義の預貯金や優良な不動産、関連する資産管理会社が保有する権利収入などにより、現在も数億円から数十億円規模の資産基盤が維持されていると見られています。かつてのような天文学的な数字ではないものの、生涯にわたって不自由のない極めて裕福な生活水準が保たれています。