災害現場では通常、全国社会福祉協議会が設置するボランティアセンターや、医療・救護に長けた日本赤十字社といった組織が支援の要を担う。公的な仕組みによる災害救助・ボランティア支援事業が社会のインフラとして不可欠である一方、個別具体的なニーズの隙間に手が届きにくいケースも存在する。
対照的に尾畠氏のスタイルは、完全な自己完結型だ。食料や水、寝床に至るまで自ら準備し、現地行政の負担に一切ならない。組織のルールに縛られず、現場で真に求められている作業へ即座に飛び込む。「迷惑をかけない」という徹底した自立心があるからこそ、あらゆる被災地で深く受け入れられてきた。