私生活での大きな転機を経験しながらも、映画監督としての手腕は常に高く評価されてきた。デビュー作である『カケラ』で溢れ出る感性を強烈に刻み付けると、自作の小説を映画化した長編大作『0.5ミリ』でその評価は決定的なものとなる。高齢化社会と人間の尊厳をユーモアと鋭い洞察で描き切った同作は、重厚なヒューマンドラマとして国内外で絶賛を浴びた。
さらに彼女は、映画制作にとどまらず、高知市内にキネマMというミニシアターを立ち上げるなど、地域に根差した映画文化の発信にも情熱を注いだ。銀幕の裏側に流れるリアルな生活者としての視点が、彼女の生み出す映像空間に底知れぬ説得力と温もりを与えている。