下着業界の長期間にわたる追跡調査を見ると、日本女性の体型認識と購入サイズには明確な変遷が記録されています。大手下着メーカーであるトリンプ・インターナショナル・ジャパンが公表してきた「白書」等の販売構成比データによると、1980年代にはAカップが約半数を占めていたのに対し、現在ではCカップ(約26〜28%)およびDカップ(約25%)が市場の過半数を占める構造へとシフトしています。
かつて主流だったAカップの比率は全体の約5%前後にまで減少し、Eカップ以上の割合も全体の2割を超える水準に達しています。この変化の背景には、食生活の欧米化に伴う脂質・タンパク質摂取量の増加や平均身長の伸びに加え、「正しいサイズ測定の普及」によって自身の適正サイズをアンダー見積もりしていた層が適正なブラジャーを選ぶようになった点が挙げられます。
ただし、ここで注意すべきは「カップ数が上がった=胸の体積そのものが全員劇的に巨大化した」とは一概に言えない点です。現代の女性はアンダーバストが細身化する傾向にあり、トップとアンダーの「差」で決まるカップ表記が見かけ上大きくなりやすいという測定構造上の特徴も無視できません。