日本バレーボール協会が下した決断は、単なる監督交代にとどまらない構造改革の宣言だった。選考の決定打となったのは、世界トップレベルのフィジカルに対抗するための「データ駆動型高速戦術」と「個の能力の最大化」を両立できる稀有な指導力だ。従来の日本代表が抱えていたブロック高さのハンデを、組織的な守備展開とファーストテンポの打撃力で補う明確なロジックがそこにはあった。
海外リーグでの指導経験やアナリストとの連携力も高く評価された。「拾って繋ぐ」伝統の粘り強さに加え、サーブ権を取った瞬間に奪点するアグレッシブなマインドセット。この勝負強さこそが、世界の強豪国を相手にセットを取り切るためのミッシングリンクだったのだ。