WEB上やSNSの書き込みで極めて頻繁に見受けられるのが、「フジテレビを代表する歴代女性アナウンサーのひとり」という位置づけです。しかし、これは明確な事実誤認といえます。安藤優子氏は、これまでのキャリアにおいて一度もフジテレビの正社員アナウンサーだったことはありません。
彼女の歩みは、学生時代にテレビ朝日の番組リポーターとしてスカウトされたことから始まります。上智大学外国語学部比較文化学科在籍中から卓越した語学力と現場度胸を発揮し、テレビ朝日の『CNNデイウォッチ』などで実績を積み重ねた後、1987年にフジテレビの専属契約キャスターとして迎え入れられました。所属事務所は一貫して個人事務所である有限会社ウエーブであり、組織の枠組みにとらわれない完全なフリーランスジャーナリストとして番組を牽引してきたのです。
フジテレビの歴代女性アナウンサーたち(八木亜希子氏、有賀さつき氏、河野景子氏ら「花の三人娘」や高島彩氏など)が局の看板としてタレント的な人気も博すなか、安藤氏はあくまで外部の「報道キャスター」として独自の聖域を保ち続けました。自著や当時の関係者の手記でも語られている通り、若い頃は女性リポーターへの偏見や「アナウンサーとの役割の違い」に葛藤しながらも、湾岸戦争の現地取材や国内外の首脳会談など過酷な現場に飛び込み、実力で報道記者の信頼を勝ち取っていった歴史があります。