NIPTは極めて高精度な非確定的検査ですが、診断を確定させるものではありません。NIPTで陽性判定が出た場合、最終判定には子宮に針を穿刺して羊水を採取する「確定的検査」が必須となります。
そこで浮上するのが羊水検査費用とリスクの壁です。羊水検査の費用相場は約10万〜20万円で全額自己負担となります。さらに医療技術が成熟した現在でも、針の穿刺に伴う出血、破水、子宮内感染により、約0.2〜0.3%(およそ300人に1人)の割合で流産に至る侵襲的リスクが伴います。
現場の診療録や当事者の手記には、この数字に直面した親たちの深い葛藤が記録されています。テレビ特番の取材や自著の手記で告白された「陽性の通知を受け取った瞬間、地面が揺れるような感覚に襲われた」「確定させるための検査で、万が一正常な胎児を失ったらどうするのか」という叫びは、数字の背後にある過酷な現実を物語っています。
こうした極限の心理状態において、指針となるのが専門機関のサポートです。不安を抱えたまま一人で抱え込まず、全国の大学病院などに設置されている遺伝カウンセリング相談窓口を活用することが、後悔を防ぐための絶対防衛線となります。