日本人の多くは学校教育やメディアを通じて「日本は資源のない小さな島国」と刷り込まれてきました。しかし、国際連合(UN)や各種国際機関の統計に目を向けると、この言説は地理学的事実と乖離しています。
世界に存在する約196の独立国の中で、日本の国土面積(約37.8万平方キロメートル)は第61位前後に位置付けられます。世界の国々のうち上位3分の1に入る広さであり、決して「極小国」ではありません。
特にヨーロッパの主要先進国と比較すると、そのスケール感が明瞭になります。EUの牽引役であるドイツ(約35.7万平方キロメートル)をはじめ、イタリア(約30.1万平方キロメートル)、かつて世界中に版図を広げたイギリス(約24.3万平方キロメートル)は、いずれも日本の国土面積よりも明確に下回っています。北欧のノルウェー(約38.5万平方キロメートル)やフィンランド(約33.8万平方キロメートル)と比較してもほぼ同等規模です。
それにもかかわらず日本が「非常に狭い国」と錯覚される背景には、世界地図で広く用いられてきた「メルカトル図法」の視覚的歪みが大きく関与しています。赤道に近い低緯度〜中緯度の地域は小さく描かれ、高緯度にあるロシアや北欧、北米が過剰に拡大表示されるため、ヨーロッパ諸国や日本本土の真の対比が見誤られやすかったという経緯があります。