『モンスターズ・インク』の日本語吹き替え版を語る上で欠かせないのが、お笑いコンビ・爆笑問題の田中裕二さんによる圧巻の演技力です。英語版オリジナルでは名優ビリー・クリスタルが演じ、息をもつかせぬ軽快なマシンガントークを展開していますが、田中さんはその独特の甲高い声色と小気味よいテンポ感を日本語で見事に再構築しました。
公開当初、バラエティタレントの起用に対して懐疑的だった映画ファンや批評家も、劇場でその完成度を目の当たりにして絶賛へと転じました。サリー役を務めたホンジャマカ・石塚英彦さんとの掛け合いは、長年培われたお笑い界の空気感と絶妙にシンクロし、アニメーションの枠組みを超えた本物の友情の響きを生み出しています。
田中さんは当時の制作現場を振り返るインタビューにおいて、「早口でありながら一言一言の滑舌を落とさず、マイクのテンションを維持し続けることの過酷さ」を語っていました。その徹底したプロ意識が吹き込まれたことで、マイクのセリフは2026年現在もファンに愛される数々の名言として残り続けています。