歴史にあぐらをかくつもりは毛頭ない。若手職人たちの手によって、いま新たな試みが次々と形になっている。伝統の餡や落雁の技術をベースにしながら、ハーブやスパイスを取り入れた新作や、シングルオリジンのスペシャルティコーヒーとのペアリング提案など、これまでの枠組みを軽やかに飛び越える試みだ。
とりわけインバウンドの富裕層や若い世代からの反応は上々だ。「甘すぎる」「食べ方がわからない」と敬遠されがちだった和菓子のイメージを、洗練されたプレゼンテーションで刷新していく。敷居を下げつつ、本質は一切崩さない。この絶妙なバランス感覚こそ、老舗が次の100年を見据えている証拠だ。