多くの人々にとって、彼は『男はつらいよ』シリーズの風変わりなインテリや、NHK大河ドラマで見せた凄みのある悪役など、強烈な個性を放つ名バイプレイヤーとして記憶されているだろう。しかし、彼にとって「演じること」と「描くこと」は、決して切り離せない表裏一体の営みだった。
役作りで行き詰まると、彼は狂ったように絵筆を握ったという。逆に、キャンバスに向かうことで、演じる役柄の「心の闇」を整理していたとも伝えられている。彼の描く人物の目は、どれも吸い込まれそうなほど大きく、そして何も語らない。それはまるで、舞台上で沈黙を守る役者の佇まいそのものだ。