姿美千子さんの女優としてのキャリアは、昭和の日本映画史における輝かしいハイライトの一つです。
1961年に日活へ入社後、1962年の映画『いつでも夢を』で鮮烈な印象を残し、一躍トップアイドルの座へ駆け上がりました。吉永小百合さん、浜田光夫さん、高橋英樹さんらと共演した数々の学園・青春映画で見せた純真無垢な笑顔は、当時の若者たちの心を掴んで離しませんでした。
また、実妹は東映の看板女優として一世を風靡した橘ますみ(たちばな ますみ)さんであり、姉妹そろって異なる映画会社でトップスターとして活躍したことも大きな話題を呼びました。妹の橘さんも後に芸能界を引退しており、互いに家庭を重んじる価値観を共有していました。
人気絶頂だった20代半ば、倉田誠氏との婚約を機に発表した芸能界引退の理由について、姿さんは「中途半端な気持ちで仕事と家庭を両立させることはできない」と語り、未練を一切残さずに引退届を提出しました。その潔い引き際こそが、半世紀以上経った今でも彼女が伝説のヒロインとして称賛される理由です。