中濃ソースの真実|ウスター・とんかつとの違いや代用黄金比まで徹底解剖

中濃ソースの真実|ウスター・とんかつとの違いや代用黄金比まで徹底解剖

中濃ソースの真実|ウスター・とんかつとの違いや代用黄金比まで徹底解剖の要点を丁寧に掘り下げてご紹介します。

インターネット上やSNSで定期的に話題となる「関西のスーパーには中濃ソースが置いていない」という言説。流通業界の棚割データや現地調査によると、完全に取り扱いがゼロというわけではないものの、東日本に比べて関西圏での売場面積・保有率は著しく低いのが紛れもない事実です。

日本ソース工業会などの流通統計を紐解くと、東日本の家庭におけるソース保有の内訳は「中濃ソース単体」が過半数を占めるのに対し、近畿圏では「ウスターソース」と「お好み焼き・たこ焼き専用の濃厚ソース」を複数常備する世帯が圧倒的多数を占めています。

この地域差が生まれた要因には、昭和の食文化史と専門分化の思想が深く関係しています。

  • ブルドックソースが切り拓いた東日本の「1本完結文化」:1964年(昭和39年)、ブルドックソースが「ウスターととんかつの良さを1本に」というコンセプトで中濃ソースを全国に先駆けて発売。高度経済成長期に洋食化が進む東京周辺の家庭で、「何にでも使える万能ソース」として急速に定着しました。
  • 関西に根付く「料理ごとの専用ソース使い分け文化」:一方の関西は、日本におけるウスターソース発祥の地(神戸・大阪)としての自負があり、下味や串カツにはウスター、お好み焼きには濃厚なお好みソース、焼きそばには香ばしさを際立たせる専用ソースと、用途ごとに最適な調味料を使い分ける食習慣がすでに完成していました。

つまり、関西において中濃ソースが爆発的に売れなかったのは品質の問題ではなく、「中途半端な万能さよりも、料理ごとに特化した専用調味料を愛する」という関西独自の豊かな粉もん食文化が存在していたからに他なりません。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。