Q1:トレンデレンブルグ徴候とトレンデレンブルグ歩行は何が違うのですか?
A1:トレンデレンブルグ徴候は、静止立位での「片脚起立検査(テスト)」において健側骨盤が下垂する静的な身体所見を指します。一方、トレンデレンブルグ歩行は、歩行動作の立脚相(体重が足にかかるフェーズ)ごとにその骨盤下垂が反復して現れる動的な異常歩行(跛行)を指します。
Q2:臨床実習や国家試験で患側と健側がごちゃ混ぜになります。決定的な整理法はありますか?
A2:支えている足(床についている足)が「患側」、宙に浮いて落ちてしまう足が「健側」です。「支えるべき患側の筋肉(中殿筋)がサボった結果、反対側の健側が落っこちる」と、加害者(患側の筋不全)と被害者(健側の骨盤下垂)の関係で脳内イメージを固定してください。
Q3:なぜ歩行異常と頭低位の体位に、全く同じ「トレンデレンブルグ」という名前がついているのですか?
A3:ともに19世紀後半に活躍したドイツの高名な外科医フリードリヒ・トレンデレンブルグ(Friedrich Trendelenburg)の研究業績に由来するためです。彼は股関節脱臼の歩行バイオメカニクスを世界で初めて克明に分析すると同時に、骨盤腔手術の術野を広げるための手術体位(トレンデレンブルグ体位)を考案したため、同一人物の功績として双方に名前が残っています。