ネット検索で頻繁に浮上する「宇多田ヒカル 浜崎あゆみ カバー」というキーワード。これは単なるネット上の都市伝説ではなく、2014年12月9日にリリースされた宇多田ヒカルのデビュー15周年記念企画『宇多田ヒカルのうた -13組の音楽家による14の解釈-』において、正真正銘の公式コラボレーションとして実現した動かしがたい史実です。
当時、宇多田ヒカルは無期限の「人間活動」として音楽活動を休止中でした。レーベルの垣根を越えて日本を代表するトップアーティストが集結する中、参加ラインナップの筆頭として発表されたのが、かつて最大のライバルと目された浜崎あゆみでした。エイベックスとユニバーサルミュージック(旧東芝EMI)という、長年レコード業界でしのぎを削ってきた巨大資本の壁を打ち破るキャスティングは、音楽業界関係者のみならず一般リスナーにも強烈な衝撃を与えました。
報道各社の取材や音楽関係者の証言によると、宇多田ヒカル トリビュートアルバム 参加理由の根底にあったのは、浜崎あゆみ自身の「同じ時代を戦い抜いてきた同期への純粋な敬意」でした。オファーを受けた浜崎サイドは即座に快諾。かつて商業主義の荒波のなかで対立を煽られた二人が、13年の時を経て「純粋な音楽的リスペクト」によって手を取り合った瞬間でした。