お笑い界において、結成20年を超えてから右肩上がりに露出と好感度を伸ばすケースは決して多くありません。タイムマシーン3号が今まさに絶大な支持を獲得している背景には、時代が求める笑いの変化と、2人が長年磨き上げてきた個性が完璧に合致したという構造的な理由が存在します。
第1の要因は、『有吉の壁』(日本テレビ系)で見せた絶対的な安定感と愛され力です。どんな無茶振りやお題に対しても瞬時に高品質な笑いへと昇華させる反射神経は、MCの有吉弘行をはじめとする共演者からも絶大な信頼を寄せられています。単なる「いじられ役」に留まらず、いじられた後のリアクションやカウンターのワードセンスが抜群であり、過剰な毒気を排除した心地よいグルーヴ感が視聴者を惹きつけました。
第2の要因は、「YouTube」というプラットフォームの完全掌握です。テレビの尺では収まりきらない関太の豪快な食事風景や、山本浩司のどこか偏屈でプライドの高い人間臭いキャラクターが、長尺動画というフォーマットで見事に開花しました。企画の秀逸さはもちろん、スタッフやマネージャーとの関係性まで含めた「ドキュメンタリー的な温かさ」が、若年層からファミリー層まで幅広いファン層を開拓しています。
第3の要因は、「誰も傷つけないのに圧倒的に技術が高い」というネタの普遍性です。関の体型を活かした「ご飯が進む言葉」「太らせるネタ」や、緻密に構成された言葉遊び漫才は、老若男女を問わず直感的に笑える構造を持っています。コンプライアンス意識が高まり、攻撃的な笑いが敬遠される現在のメディア環境において、彼らの芸風は最も安心して楽しめるエンターテインメントとして機能しています。