ファンが最も息を呑んだ亜光最期の激闘は、単行本第72巻・第781話『一番の武功』から第782話『最後の言葉』にかけて濃密に描かれました。連載第774話あたりから濃厚に漂い始めた死亡フラグを、亜光は自らの鋼の意思でねじ伏せようと奮戦したものの、敵軍の破壊力はそれを遥かに凌駕していたのです。
趙国・青歌城の城主であり新三大天に名を連ねる司馬尚が率いる軍勢は、かつてない質量と突進力で王翦本陣へと肉薄しました。亜光はこの突進を食い止めるべく、青歌屈指の手猛者であるカンサロや楽彰(がくしょう)らと交戦。既に深手を負いながらも「我が命は王翦様のためにある」と叫び、カンサロの刃を肉体で受け止めながら反撃を試みるなど、人間離れした執念を見せつけます。
しかし、奔流となって本陣へ雪崩れ込む司馬尚の圧倒的な巨躯から繰り出された一撃は、歴戦の剛将の防陣を粉砕しました。最後は主君・王翦が戦場を離脱する時間をわずか数秒でも稼ぐため、単身で敵の包囲網の中心に立ち塞がり、無数の槍と刃に貫かれながら絶命。息絶えてなお立ったまま敵を睨み据えるその威容は、青歌の将兵たちに畏怖の念を抱かせるほどの崇高な討死でした。