SNSや通販サイトのレビュー欄、知恵袋などのQ&Aコミュニティを調査すると、インチ表記を鵜呑みにしたことによる買い物の失敗談が後を絶ちません。現場の生の声から見えてきたリアルな落とし穴を検証します。
最も多く報告されているのが、「部屋のテレビ台に収まると思って65インチを買ったら、外枠(ベゼル)やスピーカーの幅を計算に入れておらず横幅が数センチはみ出した」というケースです。前述の通り、65インチという数値は液晶パネル自体の対角線(約165.1cm)であり、製品全体の横幅ではありません。フレームの厚みやスタンドの出っ張りを合わせると製品幅は145cm前後に達します。
また、PCモニターの買い替えでも「24インチから27インチにサイズアップしたところ、机の奥行きが足りず画面が近すぎて視界に収まらない」という不満の声が目立ちます。27インチモニターを快適に使うためには、画面と目の間に少なくとも60〜70cmの距離が必要です。インチ数だけを見て画面が大きくなれば作業効率が上がると過信すると、かえって眼精疲労や首の痛みを引き起こす結果となります。
アパレル分野でも「海外ブランドの31インチデニムを取り寄せたら、日本の普段履いている31インチよりウエストが握り拳ひとつ分余った」という事例が頻発しています。海外規格と国内ドメスティックブランドではパターン(型紙)の基準が異なるため、実寸センチ表記(平置き寸法)の確認を怠ることは返品・交換のリスクを高める最大の要因です。