かつて、扁平足用のシューズといえば、土踏まずの部分に硬いプラスチックや硬度の高いスポンジを配置し、物理的にアーチを押し上げる構造が主流だった。しかし、近年のバイオメカニクス研究は、このアプローチが逆効果になり得ることを証明している。足の裏が固定されすぎることで、本来持っているクッション機能が失われ、結果として足底腱膜炎などの怪我を誘発していたのだ。
現在のトレンドは、足の自然なプロネーション(回内運動)を優しくガイドする設計だ。硬さでねじ伏せるのではなく、ソールの形状やカットアウトによって、着地から蹴り出しまでの重心移動をスムーズにする。これにより、扁平足特有の「内側への倒れ込み」を防ぎつつ、足本来のバネを活かせるようになった。