平幹二朗さんの私生活において、最も世間の注目を集めたのが大女優・佐久間良子さんとの結婚劇でした。二人は1970年に結婚し、当時は昭和の芸能史に残る「世紀のビッグカップル」として連日メディアを賑わせました。
1974年には二卵性双生児となる長男・平岳大さんと長女・朋子さんが誕生し、絵に描いたような幸福な家庭を築いているかに見えました。しかし、結婚から14年が経過した1984年に離婚を発表。佐久間さんが単独で開いた離婚会見は、赤裸々な告白とともに大きな話題となりました。
離婚の背景には、お互いに多忙を極めるトップ俳優同士のすれ違いや、芸術家肌で自己の演技の世界をストイックに追求する平さんと家庭とのギャップなど、様々な葛藤があったとされています。離婚後、子どもたちは佐久間さんのもとで育てられました。
長男の平岳大さんは当初、芸能界とは距離を置き、アメリカの大学を卒業して一般企業に就職していました。しかし、27歳のときに俳優への転身を決意。父である平幹二朗さんに相談した際、平さんは厳しい世界であることを承知しながらも温かく背中を押したといいます。
その後、親子は舞台『鹿鳴館』や『王女メディア』、NHK大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』などで共演を果たしました。かつての確執や距離を乗り越え、晩年は一人の表現者として、そしてかけがえのない父子として深い尊敬と愛情で結ばれていました。