一方で、一見すると柔らかく可憐な雰囲気を纏いながら、内側に底知れぬ狂気や妖艶さを忍ばせるのが蒼井優だ。日本映画界において彼女が果たしてきた役割は極めて大きく、清純派としての佇まいから一転して狂気的あるいは奔放な役柄へと変貌を遂げる様は、観る者を呆然とさせる。
作品ごとにまったく異なる表情を見せ、共演者の感情を巧みに引き出す芝居。それは計算された技術を超え、演じるキャラクターそのものが持つ生々しい生命力として立ち現れる。日常の延長線上にあるような親しみやすさと、一歩足を踏み入れたら戻れない危うさの共存こそが、彼女が「魔性」と呼ばれる最大の由来だ。