施工不良を撲滅するためには、メーカーの施工説明書に定められたミリ単位の寸法規定を厳格に守り抜くことが唯一の防壁です。現在主流となっているプレハブ形(常温収縮・差込式)端末処理材料を用いた標準的な施工要領をステップ順に整理します。
ステップ1:シース剥ぎ取りと寸法マーキング
端末処理キットに同梱されたゲージまたは施工要領書の寸法指示に従い、外装ビニルシースを正確に剥ぎ取ります。このとき、内部の銅テープ遮へい層を絶対に傷つけないよう、シースに縦割りの切れ目を入れてペンチで慎重に割裂します。
ステップ2:遮へい層(銅テープ)の処理とアース線接続
銅テープを残す長さを正確に測り、不要部分をカットします。メーカー指定のスプリングワイヤまたは定荷重スプリングを用いて、アース線を銅テープに確実に固定します。アース線がほつれたり、端末部から外側に飛び出したりしないよう、固定部を塩化ビニルテープ等で保護巻きします。
ステップ3:半導電層の精密剥ぎ取りと段差処理
絶縁体の外周を覆っている黒色の外部半導電層を、指定寸法(通常は銅テープ端部から10〜20mm程度露出)残して剥ぎ取ります。段差部分は電界集中が起きやすいため、段差を滑らかにテーパー加工し、付属の半導電性パテやテープで段差の角を隙間なく埋めます。
ステップ4:絶縁体表面の完全脱脂洗浄
剥ぎ取った架橋ポリエチレン絶縁体の表面には、手垢、皮脂、半導電層の粉末微粒子が付着しています。これらは微小放電の温床となるため、専用の絶縁体洗浄剤(揮発性溶剤ワイパー)を用いて、導体側から遮へい層側へ一方向に拭き上げます。逆方向に拭き戻すと、半導電性の微粉末を再び絶縁体へ塗り拡げてしまうため厳禁です。
ステップ5:ストレスコーン・端末本体の挿入(収縮)
完全グリースレスタイプの差込形端末であれば、中心導体に傷をつけないよう真っ直ぐに押し込み、指定位置まで確実に挿入します。常温収縮タイプの場合は、内部のコアプラスチック紐を反時計回りに静かに引き抜きながら、気泡を抱き込まないよう根元から均一に密着・収縮させていきます。
ステップ6:端子圧着と相色別・防水シールの仕上げ
銅導体に圧縮・圧着端子を取り付け、規定ダイス・規定油圧で圧着します。バリが出た場合はヤスリで平滑に仕上げ、端子根元とシース立ち上がり部に防水処理テープを施工します。最後に、赤・白・青(または黒)の相色別絶縁テープを規定長巻き付け、作業を完了します。