長年公務員の「生涯設計の柱」とされてきたのが、手厚い退職手当制度だ。しかし、この退職金の算定基準や給付水準は、過去十数年にわたり段階的な削減が重ねられてきた。官民格差の解消を名目に、国および総務省が主導する自治体への是正勧告を通じ、ピーク時に比べて数百万円規模の減額が生じている。
財政難に苦しむ自治体にとって、退職金の抑制は避けて通れないコストカットの対象だ。「退職金で老後資金を確実にかためる」という期待値は崩れ、若手や中堅層の間では将来受け取れる額への疑念が広がっている。給与の抑制と退職金の縮小という二重苦が、生涯年収の引き下げとして重くのしかかる。