ネット上の掲示板やSNSでは、「特定の心理的節目を超えたら財務省が必ず実弾介入を行う」という短絡的な言説が散見されます。しかし、これは為替市場の力学における典型的な誤解です。
日本当局が介入の判断基準としているのは、単なる絶対的な価格水準ではなく「変動のスピード(過度なボラティリティ)」と「無秩序な動き」です。緩やかなペースで進む円安に対しては、口先介入による牽制にとどまり、即座に巨額の資金を投じる実弾介入に踏み切る可能性は極めて限定的です。
さらに、米財務省をはじめとする国際社会の同意なしに一方的な介入を継続することは、為替操作国認定のリスクを伴います。「特定ライン到達=即介入」という単純なシナリオに依存した取引は、思わぬ落とし穴にはまる危険性をはらんでいます。