「背中が曲がってる」と指摘されたり違和感を覚えたりした際、真っ先に疑うべきは日々の身体の使い方です。PC作業やスマートフォンの長時間使用による頭部前方突出(ストレートネック)と巻き肩は、胸椎(背骨の胸の部分)の自然なカーブを過剰にし、筋肉の緊張バランスを狂わせます。しかし、解剖学的に検証すると、背中が曲がる原因は表層筋の疲労だけにとどまりません。
特にシニア層に多く見られる円背高齢者理由の主たる要因は、加齢による椎間板の水分喪失と、背骨を支える抗重力筋(脊柱起立筋や大腰筋)の急速な萎縮です。骨と骨の間でクッションの役割を果たす椎間板がすり減ることで背骨全体が前方へ傾斜し、背骨本来のS字カーブが失われてC字型へと変形していきます。
さらに見逃せないのが骨粗鬆症と姿勢悪化の密接なリンクです。女性ホルモン(エストロゲン)の減少に伴って骨密度が低下すると、自重や日常の些細な負荷だけで椎骨の前側が潰れてくさび状に変形します。背中が丸まる現象は、目に見えない骨の脆弱化が物理的な形状として現れた危険なサインでもあるのです。