本作の原点は、2006年から2009年にかけてバカリズムが誰にも明かさず、「銀行勤めのOL」になりすまして毎日執筆していた個人ブログです。当時、読者は本物の女性が書いていると信じ切っており、書籍化の際に作者がバカリズムだと判明した際にはネット上で大きな衝撃を与えました。
ドラマ版および映画版のクライマックスには、原作の持つ構造的な切なさが鮮やかに描かれています。ずっと続いていくと思われた「私」と仲間たちの愛おしい日常ですが、最終盤、カメラが引いていくと同時に「私」の姿だけが画面からスッと消え去り、残された4人が何事もなかったかのように雑談を続ける描写が挟まれます。
「私」は最初から存在しなかった――。バカリズムの妄想が生み出した「架空」の世界であったことが静かに示されるこのラストは、単なるコメディにとどまらない深い余韻と切なさを視聴者の心に残しました。