すぐ近くに位置する浅草演芸ホールで親しまれる落語の洗練された話芸とは異なり、木馬亭の大衆演芸には土の匂いがするような泥臭い生命力がある。大衆演劇のきらびやかなケレン味と、浪曲の魂を削るような唸りが同居するこの空間は、東京の中でも極めて特異な磁場を形成している。
着飾った言葉ではなく、生きることの無様さや哀しさをそのまま笑いと感動に変えてしまう舞台の力。観客はただ座って鑑賞するのではなく、演者の息遣いに合わせて笑い、涙し、手拍子を打つ。その一体感は、格式高い劇場では決して味わえない大衆演芸ならではの醍醐味だ。