冬場にもかかわらず発症する電気毛布のダニ刺され症状には、特有のパターンが存在します。主に人を刺すのは「ツメダニ」と呼ばれる種類で、ヒョウヒダニ(チリダニ)などの小型ダニを捕食するために集まってきます。電気毛布によってチリダニが繁殖しやすい環境が整うと、それに引き寄せられたツメダニの密度も一気に跳ね上がります。
現場取材や利用者の手記から浮かび上がるリアルな被害の様相は凄惨です。刺された直後は無自覚であることが多く、半日から翌日以降になってから「脇腹、太ももの内側、二の腕などの皮膚が柔らかい部位」に激しい痒みを伴う赤い発疹が出現します。蚊と違って痒みが1週間以上も執拗に続き、掻き壊して色素沈着を起こしてしまうケースが後を絶ちません。
ネット上の掲示板やSNSでは、「ダニ退治ボタンを盲信して寝ていたら全身ブツブツになった」「新品の毛布なのに痒くて眠れない」という悲鳴が散見されます。調査を進めると、被害を訴える人の大半が「敷きっぱなしの状態で退治運転をしていた」あるいは「加熱しただけで一度も洗濯機や掃除機をかけていない」という共通項に突き当たります。生き残ったダニによる直接の刺咬被害に加え、毛布の繊維内部に蓄積されたアレルギーやハウスダストが気道を刺激し、夜間の咳き込みやくしゃみを引き起こす二次被害も深刻化しています。