群馬県前橋市の中心部・本町に位置する白井屋ホテルは、江戸時代から約300年続いた旧白井屋旅館がルーツです。森鴎外や乃木希典といった歴史上の偉人たちも宿泊した名門宿でしたが、中心市街地の空洞化と建物の老朽化に伴い、2008年に惜しまれつつ完全廃業へと追い込まれました。
取り壊し寸前だった建物を買い取り、再生プロジェクトの旗振り役となったのが、前橋市出身で株式会社ジンズホールディングス代表取締役CEOの田中仁氏です。田中氏は「前橋の街をもう一度活性化させたい」という強い郷土愛と危機感から、私財を投じて再生事業に着手しました。
プロジェクトは単なる建物の改修にとどまりません。前橋市全体の地域ビジョン「めぶく。」の象徴的プロジェクトとして位置づけられ、構想から約6年の歳月をかけた大規模改修を経て、2020年12月にオープンを果たしました。地方都市の再生モデルとして国内外のメディアや建築・アート関係者から極めて高い関心を集め続けています。