『星の花が降るころに』待望の映像化?夏実とゆかりの伏線を解読

『星の花が降るころに』待望の映像化?夏実とゆかりの伏線を解読

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物語の核をなすのは、主人公の戸田夏実と、かつての親友である川島ゆかりの関係性だ。小学校までは「ふたりだけの世界」を完璧に共有していたふたりが、中学校という広い世界に出た瞬間、かすかなズレを生み出していくプロセスが痛々しいほどリアルに描かれる。

作中で強い存在感を放つのが「銀木犀(ぎんもくせい)」の花だ。夏実の胸を締め付ける嫉妬や取り残されたような焦り、そしてゆかりが見せる大人びた表情。言葉にならない違和感が重なるにつれ、銀木犀の強い香りは夏実の孤独をいっそう際立たせる。安東みどりは、無意識のしぐさや日常のちょっとした視線の泳ぎを通して、目に見えない絆の変容を見事にすくい取っている。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。